ブックヨミヨミの読書感想ぶんぶん

雑食系の読書感想文!

フレデリック・ラルー 『ティール組織』をヨミヨミ。

こんにちは!

ブックヨミヨミです。

 

今日は

フレデリック・ラルー 著

ティール組織』

について書きます。

 

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宣言いたします。

良書です!

めちゃくちゃ良書です!

 

背表紙の帯に書かれているように

10年、20年読み継がれる本に

間違いありません!!

 

近い未来、

当本に書かれている事の有効性が

一般的に証明されると思います。

必見の一冊です。

 

組織運営に携わる方はもちろん、

就職活動をする学生さんには

特に読むことをおススメします。

人生変わるはずです。マジで。

 

始め、本の太さにたじろぎました。

600ページ近くある…

読破まで3日かかりました。

しかも、

途中何を読んでいたか意識が無い箇所あり…(汗)

 

本屋で見て、

堅そうな装幀と内容が良く判らない帯に

いまいち興味が湧きませんでした。

人に勧められて読む気になりました。

 

そもそも、

私は「組織」というものに

失望していました。

 

「組織」といえば、

会社、経済団体、学校、

その最たるはこの日本という我が国。

 

硬直したヒエラルキー

既得権益者同士の守り合い、

都合の悪い情報は「組織的に」隠蔽・改ざん。

  

ピラミッドの頂点を目指し、

金や地位、名声のみがもてはやされ、

「勝ち組」になることを目指す人々。

 

弱い立場の人を

まるで悪人のように批判する社会。

 

日本がこのままでは

立ちいかないことを誰しも実感しているのに、

真の国民の幸福の実現の為に

有効で大胆な改革は行われない。

 

「組織」の下層構成員の多くの私たちは

搾取され利用ていることを自覚しつつ、

抵抗する術すら封じられている現状。

 

漂うのは「怒り」「失望感」「諦め」。

 

行きつく先に考えることと言えば、

「自分だけが抜け駆けしたい」。

そんな人が増えているように感じます。

 

「組織」なんてぶっ壊れろ!

「個人」こそが次世代を担うキーワードだ!

私としては、そう思うことがしばしば。

 

しかし、

実際問題、人間は

「組織」に所属して生きていく生物。

 

通信、交通、医療などのインフラ全ては

多くの誰かのおかげで成立している。

一人の力で到底成しえるものではない。

 

「個人」だけで

幸福になれるなんてありえない。

「組織」の中ではじめて

人として幸福が実現する。

そうあるべきである。

 

「組織」が多くの人を犠牲にしているのに、

「組織」が無ければ、多くの人が幸福にならない。

 

なんなんだ、これって?

条件が相反するなら、

打つ手がないってこと?

 

長い間、

私の中で大きな問題だった。

 

当書は以下の3部構成になっている。

 第Ⅰ部<歴史と進化>

 第Ⅱ部<進化型組織の構造、慣行、文化>

 第Ⅲ部<進化型組織を創造する>

 

当書の第Ⅰ部<歴史と進化>にて、

人類のパラダイムと組織の発達段階を定義している。

(以下、①~⑦当書より引用)

 

 ①無色

  血縁関係中心の小集団。

  「自己と他者」「自己と環境」という

  区別がない。

 

 ②神秘的(マゼンタ)

  数百人の人々で構成される部族への拡大。

  自己と他者の区別が始まるが世界の中心は自分。

  物事の因果関係への理解が不十分で神秘的。

 

 ③衝動的(レッド)

  組織生活の最初の形態、数百人から数万人への規模へ。

  力、恐怖による支配。

  マフィア、ギャングなど。

  自他の区別、単純な因果関係の理解により分業が成立。

 

 ④順応型(アンバー)

  部族社会から農業、国家、文明、官僚制の時代へ。

  時間の流れによる因果関係を理解し、計画が可能に。

  規則、規律、規範による階層構造の誕生。

  協会や軍隊。

 

 ⑤達成型(オレンジ)

  科学技術の発達とイノベーション起業家精神の時代へ。

  「命令と統制」から「予測と統制」。

  実力主義の誕生。

  効率的で複雑な階層組織。多国籍起業。

 

 ⑥多元型(グリーン)

  多様性と平等と文化を重視するコミュニティ型組織の時代へ。

  ボトムアップ意思決定。

  多数のステークホルダー

 

 ⑦進化型(ティール)

  変化の激しい時代における生命型組織の時代へ。

  自主経営(セルフマネージメント)、

  全体性(ホールネス)、

  存在目的を重視する独自の慣行。

 

この定義付けは簡素でありながら,

非常に分かり易くシンボリックだ。

この本を読み進めて行く上で

とても重要な概念である。

 

この定義を一読して、

組織がどの状態か理解できるだろう。

表向き順応型だが衝動型も入っているとか、

すごく評価されている企業でもせいぜい

達成型だとか。

このような定義付けはすごいと思った。

 

第Ⅱ部<進化型組織の構造、慣行、文化>では

実際の進化型組織の企業の運営について書いてある。

 

「進化型組織」の概念に大賛成でも

現実の組織に導入して運営すると想定すると、

とても危険に感じるだろう。

新しいものは不安がつきものだ。

 

このⅡ部では、

多くの人が疑問に思う観点について

実際の「進化型組織」の企業の

運用状況を挙げている。

 

例えば以下のような疑問だ。

 ・トラブルが起った場合、どうやって解決する?

 ・予算はどうする?

 ・給与はどうやって決める?

 ・管理職って本当に不要なの?

 ・解雇はどうやって行うの?

 ・CEOの役割は?

 

そんな具体的な疑問に

「進化型組織」の対応の対応例が書いてある。

理解するべきは方法ではない。

その方法を選択する精神だ。

 

自分の組織が「進化型組織」になった状況を

とてもイメージしやすい。

実際、読み進めながら何度も天井を見つめて

想像してしまった。

 

「第4章 全体性を取り戻す為の努力/一般的な慣行」での

RHD(リソーシズ・フォー・ヒューマン・デベロップメント)

という組織の対応が心に残った。

 

RHDという会社は米国の従業員4000名の非営利組織だ。

精神疾患や各種依存症からの回復ホームレスの各種支援を

提供している。顧客は政府である。

 

以下にRHDの対応をかいつまんで記載する。

 

  発達障害精神障害を持ったリックという患者がいたが、

  世話をしていた父親が手術後急死してしまった。

  彼はパニックになって州の担当者に電話したが、

  州の担当者も対応が判らなかった。

  リックには介護が必要だったが、受け入れ先が無かった。

  リックには乱暴になるという問題もあった。

  独立記念日の前の金曜日の午後5時にRHDに打診の

  電話がかかってくるが、電話口に出た担当者は受け入れを即答した。

  1スタッフが即断したのだ。 

  問題はたくさんあったが、リックを助けることが重要と

  判断したスタッフ達が協力して彼を迎え入れる準備をした。

  父の亡くなった病院で待っていたリックはスタッフに迎え入れられ、

  受け入れ先のサンセット・ホームに移ることが出来た。

  ハウスの住人は暖かく彼を迎え入れ、リックも笑顔で

  『これが僕の新しい家だ』と言った。

 

この箇所を読んで、

私は泣いてしまった。

 

RHDがリックを受け入れてくれなければ、

彼はたった一人の家族の父を亡くした日に、

行く当ても助けもなく、

父を亡くした病院の待合で

過ごさなければならなかったはず。

 

安心できる居場所があって本当に良かったと思い、

素晴らしい対応をしたスタッフの方々に

敬意を感じた。

 

何が迅速な対応の要因となっているのか?

 

RHDは仕事と人間の在り方に関する基本前提を

定義している。

以下に当書より引用する。

 

 ①人は皆、平等に尊い存在である。

 ②人は明確にそうでないと証明されない限り、

  本質的に善良だ。

 ③組織の問題にうまく対処しる単一の方法はない。

 

進化型組織では、組織に関わる人間全てが

このような価値観を共有している。

それに乗っ取って意思決定し、行動するのである。

 

ここに書いたのは私の心に響いた1例だが、

当書には奇跡のような実績がいくつも紹介されてる。

それが無理のないシステムであることが、

当然の事として理解できる。

 

進化型組織は

尻の青い理想主義者の集団ではなく、

成熟した知的な大人の、

正に「進化した」組織である。

 

この本を読んでる最中に思った。

「これって、ちょっと前の

 日本の優良企業の話のようだ…」

 

巻末の解説(嘉村賢州氏)で

「元ソニー取締役の天外伺郎氏に進化型組織の

 コンセプトを紹介したとき、昔のソニーこそ

 まさにそのような文化だったとおっしゃった」

とあった。 

 

オワコンと言われてしまっている日本。

でも、進化型組織のDNAは確かに存在している。

 

世界に先駆け

進化型国家になるポテンシャルは

とんでもなく高いのではないだろうか。

 

進化型組織は以下の3点を重視する。

巻末の解説より特徴を引用する

 

 ①自主経営(セルフマネージメント)

  階層やコンセンサスに頼ることなく、

  同僚との関係性の中で動くシステム。

 

 ②全体性(ホールネス)

  だれもが本来の自分で職場に来ることが出来、

  同僚・組織・社会と一体感をもてるような

  風土や慣行がある。

  

 ③存在目的

  組織自体が何の為の存在し、将来どの方法に

  向かうのかを常に追求し続ける姿勢をもつ。 

  

 

私は、当書を読んで本当に良かった。

「組織」に絶望は、もうしない。

「進化型(ティール)組織」に、期待する。

世界の未来を託すと言っても過言ではない。

私も進化型(ティール)組織を推進したい。

その一員になりたい。

 

以前、

ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」を

読んで痛く感動した。

 

働くことの意義が哲学の域にまで高められ、

労働は単なる生活の為の活動ではなく、

生きる意義そのものだと強く認識させられた。

 

過去、私が社長なら全従業員に読ませたいと

思ったのはこの1冊だけだった。

 

今日からは、

ティール組織」にアップデートされる。

  

一人でも多くの人に読んでもらって、

「進化型(ティール)組織」の概念を

共有したいと思う。

 

ひとりだけ豊かになってもつまらなくないですか?

できるだけ多くの人と豊かになった方が良くないですか?

大体、多くの人が豊かになった方が

自分も豊かになる確率が上がるってもんです!

 

その方法のヒントをたくさん与えてくれる

素晴らしい1冊です。

 

 

PS:

ページの下にいくつかの格言が書いてあります。

その中で、気に行ったものをご紹介します。

 

 P493

「本当の意味の豊かさとは、

 食料や金を大量にためこんだ状態を言うのではなく、

 他の人々が必要としている時に他の人々から分けて

 もらえるようなコミュニティーの一員になることだ。

 -パーカー・パーマー(教育者、作家)」