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雑食系の読書感想文!

山下誠司 『年収1億円になる人の習慣』をヨミヨミ。

こんにちは!

ブックヨミヨミです。

 

今日は

山下誠司 著

『年収1億円になる人の習慣』

について書きます。

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著者の山下氏は

美容室「EARTH」を運営する

(株)アースホールディングスの取締役。

うち70店舗をフランチャイズ展開する

(株)サンクチュアリ代表取締役

兼任されているとのこと。

この組織のナンバー2の方らしいです。 

 

(株)アースホールディングスは

スタッフ3000人、年商180億円。

(株)サンクチュアリ

スタッフ900人、年商50億円。

※私の持っている6刷本より(2018年)

 

今や数十億企業の経営者や役員を務める著者が、

専門学校卒の年収180万の1美容師から

そこまで昇り詰めてきたエッセンスが

当書に込められています。

 

この本を購入するに当たり、

「年収1億」が響いた訳ではありません。

当本と私個人の共通キーワードは

「美容師」なのです

 

私の実家は

母が一人で美容室を経営していました。

 

お得意様のお客さんは

ご近所の方からタクシーを乗ってでも

訪ねてくる方など、

極小ながら愛されたお店だと

家族ながらに思っています。

 

そして、

美容師の大変さも見てきました。

基本、美容師はお客さんの予約がある限り

休めません。

 

私の子供の頃の学校行事には、

「お客さんが遠くからいらっしゃるから」

と言って母は学校に来ませんでした。

 

担任の先生から困った顔で、

「お母さんに参加するように言って」と

何度も言われました。

(父は年に1回くらいイヤイヤ参加)

  

お客さんを大事にするからこそ、

極力店を休まず、営業時間外な(早朝7時!)

無理な予約でも受け入れていました。

 

「お客さんが来てくれる事はありがたい」

そう言って住居と繋がった小さなお店を

守っていました。

 

みなさんも美容室(理容室)には

行きますよね?

 

いろいろなマシンや薬が開発されているとはいえ、

美容師の仕事は事務作業のように劇的に効率化できる

種類の仕事でないことはご存知かと思います。

 

一人ずつていねいにシャンプーして、

お客様の要望を叶えるべくカットやパーマをし、

カラーリングやトリートメントを行う。

これらの作業はコピペなんて不可能です。

 

長時間労働、足や腰の痛み、

人体に対して刃物や薬を使うサービスを行うので、

細心の注意を払う。

 

研修、練習による自己研鑽…。

週2日祝祭日休みではなく、

休みはおおむね週1日+αといったところでしょう。

 

本当に大変な仕事だと思います。

私としては美容師の方々に対して思い入れが強く、

とてもリスペクトしているのです。

 

今後はAIの普及で削減される仕事が

いろいろと挙げられています。

 

花形だった銀行員や士業の仕事が無くなる事は

皆が知るところです。

超専門職であるはずの医師の仕事にまで

それが及ぶとも言われています。

 

そんな現状で、

個人に対する替えのきかないサービスで

無くならないものとして、

美容や理容関係の仕事は息が長く残っていく

仕事と思えます。

 

著者の山下氏のスタートはいち美容師。

 当書の帯に以下の文があります。

 

「誰でもできるけど、

 誰もやっていない

 年収1億円への習慣

 ~

 こんなに簡単だったんだ」

 

読後としては、

「…かんたんじゃあないよ!

 徹底ぶりが尋常じゃないよっ!! 

 変態レベルだよっ!!!」

 

私には無理です…でした。

 

ただし、

「年収1億円を目標」にするのではなく、

「心から本当にやりたい事を成し遂げる」

という観点から見ると、

その情熱は見習うべきものです。

 

以下、目次より抜粋

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第1章 基本の習慣

01.仕事は「質より」スピード。

  フライングならなおよし

02.電卓を叩くだけで、

  「お金」に好かれはじめる

03.「最前列」はアリーナ席。

  会議・講義・勉強会では、最前列に座る

04.会社まで「30分以内」に

  通勤できる場所に住む

05.「身だしなみ、挨拶、接遇」を徹底すれば、

  問題の8割は解消する

06.「2時間前出社」は、

  億万長者の基本中の基本

07.「早起き」で年収が上がる

  6つのすごい理由

08.自然と早起きができる

  「3つのコツ」

 

第2章 仕事の習慣

09.悪いことは「1」やって「10」伝わる

  良いことは「10」やって「1」伝わる

10.時間の使い方が劇的に変わる、

  4つの「山下ルール」

11.「期限」を決めて「量」をこなしてこそ、

  圧倒的な「質」が手に入る

12.最後に「負けておくこと」ができる人が、

  年収1億円になる

13.「自分でやる人」ではなく、

  「人に任せる人」が、年収1億円に近づく

14.超一流は「2ランク上」の視点を

  持って仕事をする

15.相手の「良い点」と「悪い点」を

  「同じ数」だけ言えると、

  人間関係はうまくいく

16.「3人1組」のチームが、

  もっとも力を発揮する

17.「10年計画」を「数字」にして紙に書き、

  そのとおりにシンプルに行動する

 

第3章 生活の習慣

18.「年収1億円」以上の人は、

  タバコを吸わない

19.食事は「有名店よりも名店」、

  「あの人」がいるお店を選ぶ

20.落ち込んでいいのは、

  最長「3分」まで

21.毎日、体重計にのるだけで、

  年収が上がりはじめる

22.「グリーン車」や「ファーストクラス」に

  乗ってはいけない

23.お金の大切さを知っている人は、

  「お金がないみじめさ」を経験している人

 

第4章 学びの習慣

24.「2ランク上の人」からのお誘いは、

  「もちろん行きます」以外言ってはいけない

25.「毎月3冊」本を読むと、

  今ある問題が解決される

26.「年収2000万円」の壁を破る、

  たったひとつの考え方

27.年収1億円を狙うカテゴリーは、

  「経営者」が、一番ハードルが低い

28.稼ぐ人とは、

  「聞く」と「ほめる」ができる人

29.「お願い」を「誓い」に変えると、

  ガラリと行動が変わる

30.コミュニケーションの「33%の法則」

 

第5章 人生の習慣

31.「譲っていい9」は無視して、

  「譲ってはいけない1」を押さえる

32.「3つの約束」、

  逃げない、言い訳をしない、人のせいにしない

33.お金持ちになる配偶者選びの

  「3つ」のポイント

34.「役づくり」のためなら、

  7台のセスナもチャーターする

35.「99℃」と「100℃」、

  この1度の差が人生を分ける

36.最初は「不純な動機」でいい。

  特に大切なのは「物欲」を持つこと

 

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 組織をまとめて結果を出すことの大変さが、

生々しく書かれていると感じました。

 

いやはや、重ねて言いますが、

お金だけで出来ることではない。

著者の人柄という部分が大きいように思います。

 

『34.「役づくり」のためなら、
   7台のセスナもチャーターする』

エピソードが印象的です。

 

山下氏が部下25人をつれてサイパン島から

船で1時間のテニアン島にいる時に、

テニアン島にいることを知らない

社長の國分氏から部屋飲みに誘われます。

(社長はサイパン島にいます)

 

ところがその時点でその日の交通機関は全て終了。

残る手段は1台100万円のセスナのチャーター

のみとなります。

山下氏は迷わずセスナを7台チャーターして

サイパン島に帰ります。

 

社長の部屋へ赴いた時には、

すでに部屋は他の人でいっぱい。

社長から別の部屋へ移動するように言われ、

1分で部屋を後にします。

 

その時に山下氏はどうやってここまで来た

社長に状況説明を一切しませんでした。

その行動を見て部下25人の態度が変わった、

というものでした。

 

普通に考えて、

「ええっ!なんて非効率的な…」と

思う行動です。

私は決してマネしません。

行動そのものも称賛しません。

 

ですが、

「根性論」「精神論」とも取れるものは

「人としての魅力の発揮の仕方」として

置き換えて考えてみたらどうかと思いました。

 

私としては合理的考えや行動が優先されるべき

と思いますが、

いつも合理的な考えが人々に支持されるとは

限りません。

 

人間は「感情」で動く生き物なのです。

そこを見誤らず、

自分は何が大事なのかを良く考えながら

読むことが肝要かと思います。

 

当書の通りバカ正直にやっても、

多分年収1億円は無理でしょう(爆)。

だって、山下氏だからできたこと。

山下氏も自分で感じ、考えてやってきたこと。

 

自らの創意工夫と情熱のあり様、

そして人的魅力の育成について

ヒントと学ぶべき姿勢がある本だと思いました。

 

美容・理容、個人にサービスをする

仕事に携わる方が読むなら、

具体的にサービスを提供する者としての在り方と

組織運営の例が参考になると思います。

 

私は、

「情熱」と「集中力」、

「人を感動させることの大切さ」を

当書から感じました。