エリック・バーカー 『残酷すぎる成功法則』をヨミヨミ。
こんにちは!
ブックヨミヨミです。
今日のお題。
エリック・バーカー 著
『残酷すぎる成功法則』
私が本を読みたい動機は、好奇心プラス
「なんとか、現状を改善してよりよく生きたい」
というもの。
高尚な私ではありません。
「利」ありきです。(汗)
こんな刺激的な名前の書籍には敏感に反応(汗、汗)
訳本なので、読むのに時間を要しました。
読むのは速くないので、4時間くらい。(ため息)
でも、面白くて一気読みしてしまいました。
監訳に橘玲氏の名前があります。
橘氏は「言ってはいけいない」の著書で有名です。
私も「言ってはいけない」読みました。
研究論文(エビデンス)をもとに通説の成功法則を論破してる内容です。
正直、読後感は良くなかった…。
努力や夢見ることは
ムダムダムダァ~(JYOJYO調に) って
言われているようで悲しくなった。
私は、世の中の成功法則本はしこたま読みました。
「期待のような結果が出ない」という
それらの本の問題点も十分理解しています。
橘氏は「言ってはいけない」でこう主張したかったと思っています。
「いい加減、蜃気楼のような夢を見せられている事に気づこうぜ」
「地に足をつけて、現実を見ようよ」
でも、
「失望の穴に突き落としたままでフォロー無しか~い!」
と思ってしまったのでした。
もっとも、読者の幻想を打ち砕くことが
「言ってはいけない」の目的だったとも言えますが。
当書は、ちゃんと希望の持てる内容です。勇気と元気が出ます。
橘氏が監修されたことは、私の疑問(不満)に返事をもらえたようで
なんだかホッとしました。
新たな書き方として、目次書いてみました。
以下、目次抜粋(カッコ内は私で副題を略記しました)
第1章 成功するにはエリートコースを目指すべき?
(リスクテイクの損得についての洞察)
第2章 「いい人」は成功できない?
(信頼や協力、親切について悪人から学べること)
第3章 勝者は決して諦めず、切り替えの早い者は勝てないのか?
(道のりが困難でも最後までやり遂げる是非について)
第4章 なぜ「ネットワークキング」はうまくいかないのか
(人脈作りの最強戦略を学ぶ)
第5章 「できる」と自信を持つのには効果がある?
(自信と妄想の境界を綱渡りする術を学ぶ)
第6章 仕事バカ…それとも、ワーク・ライフ・バランス?
(どうやって家庭と職場の調和を見つけるか)
私にとって記憶に残る良書は、
価値あることが書いてある以上に
感情をゆさぶられたものであると思っている。
今日も改めて読み直したが、
とてもユニークでくすっと笑いがこぼれ、
当開いたページのそこかしこに心震えることが書いてある。
研究成果や文献を巧みに大量に引用している。
「成功法則」そのものやそれに至るヒントが満載です。
こんなに膨大な情報量を提供している本は初めてでした。
簡潔明瞭なハウツー本は、どこから読んでも理解しやすい。
そんな本も好きです。
でも、ちょっと大変でも当書は通しで読んで、
知識の全体像を作って欲しいと思います。
一部抜粋すると本書の魅力を語るのに不適切に思いますが、
敢えて、印象的だったことを書きます。
1章の「欄とたんぽぽと有望な怪物」の
良い遺伝子と悪い遺伝子のお話です。
正常なドーパミン受容体遺伝子DRD4を持つ子と
突然変異のDRD4-7R(ADHD、依存症、暴力性に関係する)を持つ子で、
キャンディを分けあう実験をした結果どうだったと思いますか?
DRD4-7Rを持つ子が
他の子にキャンディを分け与える傾向が高かったのです。
DRD4-7Rを持つ子は過酷な環境で育つとアルコール依存症やいじめっ子になる。
良い環境で育つとDRD4の遺伝子の子より親切になる。
「良い」「悪い」はなく、「違い」があるだけであるという内容でした。
あ、あと橘氏には不評だったようですが、
第3章でのカンフー狂が切り開いた成功の道の「アメリカン少林」の
エピソードは可笑しかったです。
本書の「結論 本当に人生を成功に導く法則は何か」からの抜粋です。
『成功とは一つだけの特性の成果ではない。
それは「自分はどんな人間か」と「どんな人間を目指したいか」の
二つを加味しつつ、そのバランスを調整することだ』
人によって個性や幸せと思うことは違うもの。
あなたにとって幸せってなんですか?
仕事で成功し、自己能力を誇らしく思っている。
大金持ちになって経済的な安心感と万能感を得ている。
幸せな結婚をして、愛し愛される喜びの人生を歩みだす。
家族がいつも笑顔で健やかで、安らぎに満たされた生活を送っている。
人間の数だか幸せの形があるはずですよね。
特別な私や特別なあなたの
それぞれの幸せを手にしたいものです。
この本、いいですよ。