ブックヨミヨミの読書感想ぶんぶん

雑食系の読書感想文!

スティーヴン・コトラー他 『ZONE シリコンバレー流科学的に自分を変える方法』をヨミヨミ。

こんにちは!

ブックヨミヨミです。

 

今日は

ティーヴン・コトラー &

ジェイミー・ウィール 著

『ZONE 

 シリコンバレー流科学的に自分を変える

 方法』

について書きます。

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いや~、帯に書かれている言葉がすごい!

 ▶パフォーマンスが500%アップする

 ▶50年以上修行した構想がする瞑想と同じ

  脳を体感できる

 ▶ふだんの自分では考えつかないことが

  ひらめく

 ▶自信がみなぎり、不安や怒りが消え、

  驚異の集中力を得る

 

えーっと、、これってセミナーの販売ページで

よく見る文言ですけど…(汗)

って、ぶっちゃけ、

この文言に惹かれて買いました!!(爆)

 

この本、端的に刺激的な言い方をするなら

「生産性を上げ創造的になるために

 ハイになろうぜ!!」

 

なんて書きましたが、

そんな軽いノリな感じの内容ではないんです。

「ハイ」についてあらゆる面から真面目に

分析しています。

 

以下、目次からの抜粋です

 

◆ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◆

 PART1 エクスタシスで生まれ変わった人達

  第1章 圧倒的なパフォーマンスを出せる

      ときの脳

  第2章「解放された自分」を体感せよ

 PART2 科学的にゾーンを作り出す4つの力

  第3章 心理学によってゾーンを

      つくり出す

  第4章 神経生物学によってゾーンを

      つくり出す

  第5章 薬理学によってゾーンを

      つくり出す

  第6章 テクノロジーによってゾーンを

      つくり出す

 PART3 ゾーンをコントロールする

  第7章 エクスタシスがもたらすビジネス

      の変化

  第8章 快感で脳をジャックされない

      ために

  第9章 エクスタシスを操り、

      自分を変える挑戦

◆ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー◆

 

本書のZONEは快感による恍惚状態の事を指します。

人間はZONEに入ることによりパフォーマンスが向上する。

その状態をいかに作り出し利用するかという

ことが本書のテーマです。

 

アメリカという国と文化が背景にあり、

ハイになる事象や物証について

歴史的、文化的、学術的側面から考察している。

 

快感を作り出す4つの要素として以下が挙げら

れて、それぞれの分野で語られている。

 ①心理学

 ➁神経生物学

 ③薬理学

 ④テクノロジー

 

全部読んだ感想として、

日本人の文化にはそぐわないと思った。

アメリカ人は結果を出す事に

とことんチャレンジングで貪欲だ。

いくら多くの社会貢献が得られるとはいえ、

行き過ぎ感がいなめない。

 

結果を求めて薬を多用したり、

倫理面で問題がある企業や国家の利益や権力争い。

快感がもたらすの明るい側面より

暗黒面をより大きく感じた。

 

苫米地本ファンの私としては、

過去に読んだ苫米地さんの

著書の内容の数々が頭に浮かんだ。

 

…人間の欲望はほどほどがいい。

 薬物は確実に脳を破壊する。

 やりたくないことをやっているから、

 あらゆる手段を使ってZONEに入る必要が

 出てくる。

 やりたいことをやっていれば勝手にZONEに

 入って生産性も自然にアップする…等々…

 

「もっと、もっと…」の果てしない欲求を

ひたすら自己肯定している社会がアメリ

なんだな…と。

それを多くの著名人の名と共に「最先端」と

触れ込んでありがたがる日本もなんか違うと

感じた。

この辺の感じ方は人それぞれ、価値観の違い

かもしれない。

 

ただ、書籍としてはとても興味深かった。

多くの知識から多角的に解説していて、

好奇心が刺激される。

先に書いた心理学、神経生物学、薬理学、

テクノロジー

それぞれ分野で知らなかったことが多かった

ので、為になった。

 

本書で「バーニング・マン」というアメリカで

年1回行われるフェスティバルの話が度々登場

する。

そこで参加者は自由な発想から自由な自己表現

を行う。

アートや演劇、音楽、ワークショップなどあら

ゆる催し物が開催される。

(2020年はコロナの影響で中止になった

 そうだ)

 

ここに参加した人々は、日常とは違う体感、

つまりZONEを体験したことで創造的になる

可能性に言及している。

 

このバーニング・マンというフェスティバルは

以下の基本理念があるそうだ。(WIKIより)

  1.『どんな者をも受け入れる共同体で

     ある』

  2.『与えることを喜びとする』

  3.『商業主義とは決別する』

  4.『他人の力をあてにしない』

  5.『本来のあなたを表現する』

  6.『隣人と協力する』

  7.『法に従い、市民としての責任を

     果たす』

  8.『跡は何も残さない』 

  9.『積極的に社会に参加する』

 10.『「いま」を全力で生きる』

 

彼らが行った2005年のハリケーン・カトリ

ーナでの支援活動の話が胸アツだった。

バーニング・マンの開催で集まっていた

スペシャリストの人々が、それぞれの分野の

専門性を持ちよって協力し「国境なきバーナー

団」として大活躍したのだった。

日本の東日本大震災の際にも支援してくれた

らしい。

知らなかった。ありがとう!!

  

最終章の最後あたりの文章は印象的だ。

日本の侘び・寂と金継ぎの美しさに触れ、

不完全さの中に可能性を見出すことを書いて

いる。

 

ジャイアンアメリカめ!」みたいなことを

書いていたが、協力して他者に貢献する速さや

パワーの話には、わが意を得たりという気持ち

になった。

最後に不完全さを認めて可能性を語る謙虚な

視点には人間に対する優しさを感じて共感せざ

るおえなかった。

 

思うに、

生産性や創造性を最大限に発揮できるのは

「やりたいこと」「楽しんで」「人の為」

やっている時ってことじゃないのかな~?

それなら、難しいことこねくり回さなくても

自分が選択すればいいだけなんじゃないか

な??

 

 

私にとっては

「やりたいこと」を「楽しんで」「人の為」

にやる

ということをエビデンスベースで

改めて認識させてくれた本でした。

 

今のアメリカのクリエイティブな人達が

どういう動向なのかも知れて興味深いです。

自分の人生のパフォーマンスについて考えて

みたい方は、

一読おススメいたします。

 

PS:

再度となりますが、

当書はいろいろと苫米地本と共通な話題が

多い。

・個が無くなるとパフォーマンスが上がる

 (個という概念について)

・軍や企業による洗脳情報争奪戦

・音楽によるトランス状態について

 等々…

苫米地本で語っていることの

抽象度の高さを感じてしまった。

苫米地ファンの人は読んで見て!